私が転職支援をするときのスタンス
前回の記事の続きに当たりますが、今日は私が沖縄で働きたい求職者様の転職相談に乗り、支援をするときのスタンスを伝えたいと思います。
私は、決して「沖縄は天国です!良い仕事がたくさんあります!誰でもめんそ〜れ♬」というスタンスで仕事をしているわけではありません。エン・ジャパンのCMではないですが、『転職は慎重に。』です。
10年以上前の沖縄と比較すると、確かに求人内容の量と質は向上していると言えますが、首都圏をはじめとする県外と比べると、やはり一般論として、職種の選択肢の幅や給与水準は絶対的に劣ります*1、少なくとも今の時点では。そして、移住を伴う方にとっては、人生にも大きく影響することですからね。
UIターン希望者に限らず、私が求職者の沖縄企業への転職支援をさせていただく際は、ご経歴等に加えて、
・そもそも、(移住&)転職したい理由は何か?
・(移住転職に限らず)転職にあたり、大切にしたいことは何か?優先順位は?
をじっくりお伺いします。
また、給与水準なども含む、沖縄の転職市場についての一般的なご説明と、ご紹介できそうな求人がある場合、
・沖縄でマッチしそうな会社の求人紹介と、なぜそう考えるかの理由(個人的な見解)
・私が把握しうる限りの企業文化や特徴など
つまり、求人票という紙の上だけでは見えない情報をお伝えしながら、なるべく「期待値のギャップ」を小さくできるよう、心がけています。また、応募〜面接〜内定までの途中プロセスにおいても、質問・疑問などいただけば、どんなに些細なことであっても、その都度、ご回答できるようにしています。すべては、以前の記事「転職には『納得』、『期待』、『覚悟』が肝要!」に書きましたように、納得から覚悟までのステージを着実に踏んでいただきたいからです。私たちのような人材紹介会社は、求職者に対して求人情報の提供をし、マッチングはしますが、最終的な転職の決断は求職者様ご自身が行うものであり、拙速に決めてしまって後から後悔してほしくないからです。
なお、残念ながら、すぐに求人案件をご紹介できない場合もあります。たとえば、
・合いそうな求人情報をタイムリーに持ち合わせていない
・私が強みとする領域*2以外の方からのご相談
上記のようなケースでは、わざわざお問い合わせをいただいた時間を無駄にせずに済むよう、何らかの情報提供を心がけています。
また、タイムリーに求人案件をご紹介できなくても、「じっくり仕事を選びたい、かつ時間的に猶予がある」という方の場合は、1年〜1年半にわたってお付き合いをすることもあります。実際、過去に転職支援をした例では、最初のご相談から1年半後に内定を得て、移住・入社を果たしたのは2年近く経っていたケースもありました。ただ、時間が経つに連れて、ご自身の置かれた環境や立場も変わり、最終的に(沖縄移住&)転職を断念したり、逆にそれほど仕事選びに時間をかけたくない、というふうにお考えが変わる方も多いと思います。長くお付合いいただく場合は、定期的に連絡を取り合い、転職へのお考えが変わっていないか、確認をさせていただきます。
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◎沖縄へのUIターン転職にご興味のある方は、こちらまで!
*「沖縄で働きたい方」の転職支援をしています。県内在住でも、もちろん大丈夫!
沖縄特化で転職支援を始めた理由(長文です)
今月は、初対面の方にご挨拶をする機会が多くあります。自己紹介の中で、事業内容(沖縄県内で人材を必要とする企業と沖縄で働きたい個人とのマッチング=人材紹介事業)を説明しますが、その度に、自分がなぜ会社を設立してまでこの活動をしているのか、原点を思い出します。決して「商売がしたい、儲けたい」から始めたわけではありません(笑)自分なりに必要性と使命を感じて始めたのです。
※語弊を恐れずに言うなら、首都圏の外資系企業相手の人材紹介の方がよほど儲かります(笑)
※「沖縄県外在住で沖縄勤務希望者」までピンポイントで探し当てるのは難しく、手間もかかります。
私は2009年度〜2012年度に沖縄県庁の東京事務所でIT企業誘致を担当していました。それまでは「沖縄=出身地」というくらいで、沖縄に対して特別な思い入れも、仕事上の接点もなく過ごしていたのですが、「沖縄の土地勘があり、IT業界経験者」ということから声をかけていただいたのです。
「企業誘致により雇用を創出し、地域を活性化する」という意義は、もちろん、頭では理解していました。しかし、入職し、それまでの企業誘致の経緯を知り、県庁の方々と行動を共にすることで、見えてくることがたくさんありました。沖縄県の場合、簡単にいうと、
「大都市圏から遠く離れており、物流コストや産業集積の観点から製造業誘致は難しい」*1
→ 通信コストを抑えられればコールセンターやIT関連産業の誘致は有望!
→ 産業が少ないために高止まりしている失業率を下げられる!
→ お金が循環して地元の経済も活性化、沖縄も今より豊かになれる!
という理屈です。なので、当初は企業誘致活動自体に、大きな意義を見出していました。
そして、実際に誘致活動をしていくと、沖縄進出を決めた企業が口にする最大の理由は、「日本一若年人口率が高く、未経験であっても育てがいがある」、「沖縄県や市町村が用意した未経験者向けの人材育成事業が豊富」というものでした。
※2009年当時は「日本一安い人件費」も、大きな理由の一つではありましたが...
とはいえ、企業が沖縄に立地して事業が軌道に乗ると、やがて「経験者(=即戦力)がほしい」とか「マネジメントできる人が欲しい」という相談が寄せられます。
当然ながら、沖縄へ誘致をした者の責任として、現地で有効と思われる採用手段の情報を色々とご提供しました。
採用コストの低い順に
・ハローワークや行政が運営しているサービスや求人サイト、求人イベント等。
↓
・地元の求人誌(フリーペーパー)や求人サイト。
↓
・地元の人材派遣会社や人材紹介会社、など。
(全国展開の大手求人サイト等はすでにご利用中のケースも多かった)
ですが、狭い沖縄県内の転職市場においては、「即戦力」と呼べる人材はゴロゴロいません。ここ数年で急速に増加したIT企業等からの人材需要に供給が追いついていないのです(注:「即戦力」とは、必ずしもIT系職種に限らず、バックオフィスや管理職も含みます)。
一方で、特に2011年3月の東日本大震災以降、中高の同級生や知人などから「Uターン(移住)をしたいけど、沖縄で自分のキャリアを活かせる場所があるか?」と相談を受けることが増えていました。「大手求人サイトには(自分に合いそうな)求人の掲載がない」、「大手人材紹介会社に相談をしても、沖縄のことをよく知らない」と言うのです。そこで、やはりハローワークや地元求人誌等をチェックすることを提案しましたが、給与水準や企業文化の違いなど、納得して転職するかどうかの最終決断をするには、県内と県外の事情を知る人物からの『解説』が必要と思われる事態がたびたび発生しました。
そういう経緯から、沖縄県庁在職時より、私の個人的なネットワークの中でマッチしそうな方と企業がいれば、両者を引き合わせるということを始めました。
その後、県庁の仕事は有期契約の嘱託職員だったことから、2012年度を最後に退職。プライベートでは出産と育児があり、1年ほどは完全に家庭にこもっていましたが、県庁時代の知人から引き続き個人的に連絡や相談を受けるうちに、「沖縄に特化した人材マッチングは自分のやるべきことではないか?」という想いがムクムクと湧いてきました。そして、やるのであれば、きちんとビジネスとして成り立たせ、末長く、安心して相談できる相手になろう!という決意のもと、2013年11月に起業し、2014年3月に有料職業紹介事業を開始しました。
ここまでですっかり長くなったので、転職支援をするに当たっての私のスタンスを、次の記事では書いていきたいと思います。
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沖縄移住の参考本(2)〜沖縄での仕事ガイド
今日ご紹介するのは、こちら。
昨日取り上げた書籍『沖縄移住ガイド(住まい・職探しから教育まで実用情報満載!)』の著者が今年9月に出した新著で、今回は「仕事」に重点を置いています。
内容は、下記のとおり、幅広いテーマを取り上げています。
- 沖縄の産業界の傾向
- 元気な業界(取り上げられているのはIT、観光、製造、食品、航空)
- 沖縄で働くメリットとデメリット
- 仕事の探し方(ハローワーク、地元求人誌/求人サイト、人材紹介会社、行政提供のサービス)
- 移住転職者の体験談(実名&顔写真入り)
- 積極採用中の企業の紹介
- 移住した後に、起業した方、就農した方、個人事業主、SOHOで働きつつ会社を説得して支社を作らせた方(笑)の体験談
職業柄、沖縄移住関連本には結構目を通していますが、私の把握している限り、第三者が沖縄での仕事に焦点を当てて書いた本はなかったように思います。(個人が自らの沖縄移住体験を記し、その中で仕事探しのあれこれを書いたものは、あるのですが。)
それにしても、この書籍の中で語られる移住転職者の話は、文字通り十人十色で本当に面白いです。家族構成も、移住時期も、移住に至った経緯も(元々の沖縄好きからたまたま、という人まで)、職業も、年齢層も、仕事探しの方法も、本当に色々。また、沖縄での生活ぶりや感じたことも率直に語っているので、参考になると思います。
機会がありましたら、手に取ってみてはいかがでしょうか。
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沖縄移住の参考本(1)〜沖縄での生活ガイド
移住転職相談を受ける中で、時々住む場所や家賃相場、お子さんの教育環境に話が及ぶことがあります。相談者の方々は、基本的には沖縄を既に何度も訪れていて、ある程度の地理感覚はありますが、生活という視点で考えると、調べることがたくさん出てきますよね。
インターネットでも、移住者の経験談や各種お役立ち情報は溢れるほどありますが、現時点で一番オススメしたい本はこちら。
沖縄移住ガイド (住まい・職探しから教育まで実用情報満載!)
- 作者: 吉田直人
- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2012/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2012年7月初版なので、出版から5年が経ちますが、ここまで生活に直結した情報が豊富で綺麗にまとまっているガイドは少ないと思います。
内容は、沖縄の交通手段や衣食住(16市町村の具体的な物件例付き)、子供を難関大学に入れたい場合の教育事情、ウチナー的趣味の紹介、各市町村の簡単な特徴など。そして最終章で1ヶ月の生活費を10パターン、シミュレーションして提示しています。そのパターンとは:那覇でアパート住まい or マンスリーマンション生活、沖縄市の外人住宅暮らし、北谷での都市型リゾート生活、北部での古民家暮らしなど。ただし、家賃相場については、ここ数年の間に沖縄では上がり続けていますので、最新の情報を確認する必要がありそうです。
また、仕事面については沖縄県内で(2012年当時も現在も)求人数の多い観光業や医療介護に偏っている印象も受けます。現在は、もう少し職種の幅が広がっているように思います。特に40歳くらいまでのIT実務経験者は引っ張りだこであることを付け加えておきます。
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今、沖縄で元気な業界3選(※個人的な見解です)
今日は、私の個人的な見解にもとづく【今、沖縄で元気な業界3選】をご紹介します。
私は平成21年度〜24年度までの4年間、沖縄県庁職員として企業誘致に携わり、現在は沖縄に特化した人材紹介会社を営んでいます。私自身が仕事で直接接点のある業界には若干偏りがありますが、現地で見聞きすることも含め、ある程度の採用コストをかけてでも積極的に人材を求めている業界を3つ選んでみました。
【その1:IT業界】
1990年代後半以降、ネットワーク環境の整備と通信費の低減化により、沖縄は国内でコールセンターの集積が最も進んだ地域となりました。その後、2010年頃からはソフトウェア開発やインターネット関連企業等の進出や新設も相次いでいます。特にコールセンターの進出が相次いでいた頃の沖縄は、企業側にとって、「若くて安い労働力」が最大の魅力だったようですが、最近は働き方改革の影響もあり、「魅力的な仕事環境の提供をアピールするために沖縄オフィスを開設した」というところも増えています。これが意味するところは、「人件費=コスト→安い沖縄へ」というマインド薄れつつある、とも言えます。特にITエンジニア経験者は、分野によっては以前より選択肢が広がっていると思います。
【その2:観光】
ここ数年のインバウンド観光の盛り上がりぶりは全国的なものですが、 沖縄でも同様で、ホテルの供給が逼迫気味という状況が続いています。東京オリンピックが開催される2020年には那覇空港の第2滑走路の供用開始も予定されており、同年または翌年には観光客数1000万人の大台に乗るとの予測もあります。ホテルの客室不足によって観光客離れが起きると、観光産業には大きな痛手を受けます。そこで、国や県が建築基準の緩和や税制面の優遇などの措置を取ってホテルの新設や増築を促し、ホテル業界では人材が引っ張りだこの状況なのです。(ある程度若ければ、という条件はつきますが)業界未経験者の採用ハードルが低い一方、経験があれば重宝される、という意味では狙い目の業界かもしれません。
【その3:不動産・建設】
上述したように、ホテルを含む観光施設の新設や増築が増えている中、不動産開発や建設会社での求人引き合いも非常に多いという実感があります。一般的な不動産営業職の募集は、ハローワークや地元求人誌/サイトでも求人数が増えています。さらに、高度なキャリアやスキルを持つ人材を必要とし、人材紹介会社を使ってでも採用したい、という会社も増えているようです。その一例として、沖縄県プロフェッショナル人材採用促進・定着支援進推進事業*1のイベント登壇企業で見ると、昨年度からの通算15社中6社が不動産・建設業界でした。
以上、あくまでも個人的な見解となりますが、ご参考になればと思います。
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転職には「納得」、「期待」、「覚悟」が肝要!
今日のお話は、結論から:
どんな転職においても、「納得」と「期待」と「覚悟」が最も大事!
転職が「成功」したかどうかは、いろいろな定義や捉え方があると思います。
ある方にとっては、「年収アップ」だろうし、「年収<やりがい」という方もいます。また、「将来の夢を叶えるためのステップ(修行?)」という方もいれば、「ライフスタイルを変えるため」として転職という選択肢を選ばれる方もいます。さらに、前向きな姿勢というよりも、「とりあえず、"目の前の悩みや苦しみ"から逃れるため」という方もいるでしょう。もちろん、年齢やキャリアのフェーズによっても異なるでしょう。
しかし、いずれの場合でも、「自分で納得し、次の職に期待しつつも、覚悟を持って転職の決断ができたか?」というのが<成功した転職>への第一歩だと思うのです。
この言葉は、ある人材紹介会社向けのコンサルタント研修で、講師の方が口にしたものですが、強く印象に残り、私も日々、意識しているものです。
どんなに素晴らしい会社でも、”全て”が完璧ということは現実的にはないでしょうし、入社前に抱いたイメージとのギャップに驚くこともあるでしょう。特に入社後の2週間、1ヶ月、3ヶ月、1年は壁に突き当たったり悩むこともあるでしょう。
それでも、きちんと自分と向き合い、納得・期待・覚悟の各ステージを経て入社をした方であれば、何かあったときに転職を決断した原点に戻り、乗り越えられることが多いように見えます。
移住をともなう転職であれば、なおさらのことです。
転職を前に、「納得」と「期待」と「不安」を持つ方には時々出会います。
ですが、3番目の「不安」を「覚悟」に変えられるか?
ぜひ自問自答して、人生における大切な決断をしてほしいと思います。
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ところで沖縄って仕事あんの?
結論から言うと、「はい、たっっくさんあります!」
地元の求人誌(フリーペーパー)を手に取ると、その分厚さに驚かされるほどです。
ただし、「選ばなければ」という条件がついてしまうのが現実です。
残念ながら、沖縄県の地域別最低賃金時間給は現在、737円(平成29年10月1日改正施行)と全国最下位レベル(他に九州・四国の7県が同額)*1、都道府県別平均賃金(月額)についても、 236.3千円と最下位レベルとなっています(実は、宮崎県と岩手県は沖縄県よりさらに低い結果となっています)*2。
一方で、沖縄では2010年頃から、IT企業や製造業、ロジスティクス関連企業の新設や県外からの進出が相次いでおり、より高度なスキルを有するキャリア人材の求人も増えている一面もあります。もちろん、首都圏と比較すると、職種のバラエティは大幅に狭まり、数も圧倒的に少なくなります。ですが、何らかの専門的なキャリアを積まれた方で、しっかり情報収集をしていけば、満足のいくお仕事に就かれることも多いようです。給与水準は下がりますが、暮らし方によっては生活コストも落とせますし、海まで近いのでオンオフの切り替えがしっかりできて過ごせるという話も耳にします。
沖縄で元気な業界などの具体的なお話はまた次回に!
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