沖縄移住の参考本(5)〜沖縄県民向け本土ガイド
今日ご紹介する本は、沖縄移住者向けのガイドではなく、沖縄県民向けに書かれた本土での生活ガイドです。裏を返せば、沖縄移住者の方々には、沖縄県人の考え方や意識が理解でき、沖縄でのちょっとした違和感解消のヒントがあるかもしれません。
内地の歩き方ー沖縄から県外に行くあなたが知っておきたい23のオキテ
- 作者: 吉戸三貴
- 出版社/メーカー: ボーダーインク
- 発売日: 2017/01/25
- メディア: 単行本
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沖縄出身の著者は、現在、沖縄と東京を拠点にPRコンサルティングやブランディングを手掛ける会社を経営しており、いわばコミュニケーションのプロ。しかし、過去に東京生活に馴染めず、一度沖縄に撤退したという経験を持っています。31歳からの2度目の東京生活で、ようやく居心地よく生活できるようになったとのこと。本書では、沖縄出身者が県外で暮らすにあたっての心構えやコミュニケーションのコツを伝授しています。
以下、印象に残ったフレーズを書き出してみます。
第5のオキテ:旅行気分で行ってガッカリ 意外と地味な内地生活のリアル
→沖縄移住者からもよく聞かれる言葉。改めて、旅行と生活のギャップに注意!
第6のオキテ:大切なのは適度な距離感。内地流コミュニケーションのあり方
→沖縄あるある!初対面でも踏み込んだ質問をいきなり投げてくる沖縄人。本土では、距離感を少しずつ詰めていこうね、というメッセージ。
→沖縄移住者も、これを知っておけば、初対面での唐突な(場合によっては不躾な)会話にびっくりしないかも。
第13のオキテ:自分のためではなく、人のため。雨傘を持っている方が良い理由
→沖縄あるある!沖縄では、通り雨ですぐやむし、濡れても寒くないし、ということで傘を持たない方が多いですね。だから、本土で傘をささずにいると相手に気を遣わせてしまうという感覚がわからないのです。
第15のオキテ:内地の「律し合う文化」と、沖縄の「許し合う文化」
→うまい表現だな、と思います。沖縄に馴染めない移住者、本土に馴染めない沖縄出身者の場合、この文化の違いを意識できていないからかも。
そして、本書のあちこちに出てくる「異文化コミュニケーション」を連想させる表現。
「『外国と同じで文化が違うんだな』と考えて乗り切りましょう」(p.51)
「内地で暮らす時は、相手の文化に敬意を払い、合わせる努力をすると良いでしょう」(p.102)
「海外旅行の感覚で、新生活の情報収集を」(p.121)
実はこれ、本土企業の沖縄支社長が新規の進出企業へのアドバイスとしてよく口にされている言葉なのです。「沖縄は、同じ日本語を話すけど、文化的には海外進出くらいの心構えで物事に当たれば問題ない」。私自身が沖縄県庁で企業誘致を担当していた頃、何度このフレーズを耳にしたことか!
内容はコンパクトであっという間に読めてしまう分量なので、率直に言うと税込1620円のお値段はちょっとお高い気がしますが、私は面白く読めました。ちなみに、本書は沖縄県産本*1で、沖縄県内の書店であれば「沖縄本(郷土本)」コーナーに並んでいると思います。また、新年度が近づくと、進学や就職のため県外に出る人が増えるため、店頭の目立つところに並べられているかもしれません。今年夏に那覇市内の書店に立ち寄った時は、目立つ場所に平置きで山積みにされていました。
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